導入事例・お客さまの声

多種を封印してワンアイテムで勝負! 麦麦 様

「EZデバイダーの魅力は重量を量って分割するところです。
      重量が均一だから山のそろった食パンができるんです!」

こだわり食パン専門店 麦麦 様(兵庫県神戸市)

2017年夏、閑静な住宅街が広がる神戸市東灘区御影に、食パン専門店がオープンした。店名もユニークな「麦麦」様。麦という字に材料への深いこだわりを込め、バクバクという響きに毎日飽きずに食べられるパンをイメージした。扱う商品は、1.5斤の山型食パン(680円税込)のみ。多品種が一般的なベーカリー業界にあえてワンアイテムで挑む。さっそく話題の同店に取材に伺った。

 
食パン、ワンアイテムに込めた思い

阪急神戸線御影駅で降りて山手幹線方面に歩く。落ち着いた住宅地を抜けると「麦麦」と書かれた袋をさげた方と何人もすれ違った。袋の中には、焼きたての食パンが入っているはずだ。私が向かう先もこの食パン専門店「麦麦」様。食パンというワンアイテムを武器に、多い日で1日500人を集客し、600本を売るという話題のお店である。その「麦麦」様の仕掛け人がシェフブーランジェの上原康敬様。取材に訪れると、忙しい時間をぬってさっそくお話を聞かせてくれた。まずは、食パンワンアイテムにこだわる理由から質問してみた。
 
シェフブーランジェ(製造部門責任者)
上原 康敬 様

 
大手製パンメーカーからリテイルベーカリー、ホテルのベーカリー部門とさまざまなステージでパンづくりの最前線に立ってきた。合理性を追求する局面、とことん品質のみを追求する局面、その両極に立った経験から得たものは「ちょうどいいポイント」を知ったことだという。
今回、その自らの強みを単品製造の「食パン専門店」というかたちで具現化した。  「ベーカリーをやろうと思ったら、誰しもアイテム数が多いか、何かに特化するか2つに1つを考えるでしょう。その選択肢のなかで私のパン職人としての経験が行く方向を先導してくれたんです。大手パンメーカーでの合理的なやり方とリテイルベーカリーでの品質をとことん突き詰めるやり方、そのいいところを両立できないかと自問自答を繰り返し、出た結論がワンアイテムだったわけです。仕入れも効率的だし、さまざまな数値をとにかくコントロールしやすくなりますから」。そのワンアイテムがなぜ食パンだったのか、さらに本質の部分を聞いてみる。
 

 「私の師匠がつくる食パンが素晴らしいものでずっとあこがれていました。この食パンに近づきたい、いやこれを超える食パンをつくりたいと長い間、夢を持ち続けていました。しかし、どのベーカリーでも食パンは看板商品なので、味も配合も製法もすでに確立されていて、新しい試みなどは、なかなかやらせてもらえませんでした。しばらくして、ホテルのベーカリー部門で食パンを開発する機会に恵まれたんです。運も良かったんでしょうね。思う存分に食パンづくりに打ち込んで、これならというものができました。今度は、自分がつくるものが世の中の人たちにどれだけ必要とされるのか、試してみたくなりましてね。食パンで、しかも専門店で勝負してみようと思ったんです」
 
 
重量で分割するからいい!
「EZデバイダー」で分割した四角い生地を軽く丸めながらバット取りする。「EZデバイダー」で分割した四角い生地を軽く丸めながらバット取りする。これから食パンの生産をするというので、生産スペースにお邪魔させていただいた。食パンの生地分割には「EZデバイダー」をご愛用いただいている。上原様は軽やかに生地をセットする。「EZデバイダー」との息もぴったり。分割された生地を軽く丸めながらバットに取っていく。「『EZデバイダー』の利点は、重量を量って切る秤量分割式であることですね。まるで腕のいい職人が2~3人、隣にいる感じです。

人によっては、容積計量式の分割機を使っているのを聞きますが、私が思うに容積計量は分割とは言えません。生地の状態がちょっとでも変われば一定の重量を保てなくて、とても歩留まりが悪くなる。ちなみにうちは、低温長時間発酵という手間のかかる製法をあえてやっています。食パンにしぼってやっている分、とことんこだわったパンを提供するためです。この生地は、容積計量式の分割機ではとうてい均一な分割はできません。山型食パンはとにかくごまかしがきかないんです。ちょっとでも重量にばらつきがあれば、きちんと山のそろったパンに仕上がりませんから。均整のとれたフォルムに仕上がるのは『EZデバイダー』できちんと重量を量って分割ができるからです。言い方をかえれば、うちが山型パンで勝負できるのは、扱いが少々難しい生地でもきちんと重量がそろっているという自信があるからなんです」。
予め設定した重量で生地を量りながら切る。 独自の秤量分割式を採用した「EZデバイダー」

上原様の言葉通り、そのパンは、ケースに入れた時もホイロから出てきた時も、焼き上がりも常に美しく、そして芳醇な香りにあふれていた。
 
 
余裕も生んでくれる
 上原様は「EZデバイダー」の導入メリットをもうひとつ話してくれた。「うちの食パンは1回の仕込みで食パン60本×3玉分できます。人手で分割して丸めるとすると2人で20分かかりますかね。『EZデバイダー』を使えば、1人で10分で済みます。この作業を1日8回分、480本×3玉分を分割して丸めることを考えてみてください。職人1人分の労力と80分の時間を節約できるんです。それに『EZデバイダー』は、絶対疲れたと言わないしね(笑)。うちも職人が何人かいますので、この時間を麦麦の技術の研鑽にあてられますし、私自身もその時間を利用して積極的にお店に出てお客さまと会話をするようにしています。結果的にお客さまへのサービスに還元できていると思います」。
バットで少々休ませた生地をモルダーにかけて3玉ず1.5斤ケースに入れていく。バットで少々休ませた生地をモルダーにかけて3玉ず1.5斤ケースに入れていく。ホイロ後、均一に膨らんだものをオーブンで焼成する。ホイロ後、均一に膨らんだものをオーブンで焼成する。
 
毎日食べても飽きないパン
 「ここの食パンは、毎日食べても飽きないのよね」。ふと、レジで店員さんと楽しそうに話すお客さまの声が聞こえてきた。詳しく伺うと、50代の主婦でお隣の芦屋市から週に3回わざわざ買いに通っているという。上原様も目を細めながらつぶやく「わざわざ買いに来てくれるというのもありがたいですが、毎日食べても飽きないと言ってもらえるのが何よりうれしいですね」。この飽きのこない味の追求は食パンワンアイテムで勝負する「麦麦」様の生命線に違いない。
焼成された山型食パンが次々に出てくる。ガラス張りの工場内の様子がお客さまからも良く見える。焼成された山型食パンが次々に出てくる。ガラス張りの工場内の様子がお客さまからも良く見える。
上原様はこう続けた。「私も大手製パンメーカーからリテイルベーカリーといろいろな経験をしてきました。その中で得た持論ですが、やはりパンを器にしたくないんですよね。ハムやソーセージなど具材に合うパンではなく、まずパン自体を味わってもらって納得していただけるものをつくりたいと思います。そういう意味ではうちの食パンはシンプルなだけにそれ以上飾りようがない。お客さまにとっては、本質がわかりやすいパンなのかも知れませんね」。最後に取材を通して聞きたくなった質問をしてみる。飽きのこないパンを追求していく上での秘策はありますか? 「素材一つひとつにこだわっていますが、それぞれの素材がお互いの良さを引き立てあうバランスのとれた配合を見出すこと。この配合比さえきちんとわかっていれば大丈夫です」。積み重ねてきた経験からくるパン職人の自信のある答えが返ってきた。
見事に山のそろった食パンが焼きあがった。見事に山のそろった食パンが焼きあがった。
 
通常包装(写真右)680円
ギフト用風呂敷包装(写真左)1080円

価格表記はすべて税込み
 
麦麦さまでは、お土産にしたいというお客さまの要望を受けて、品の有る風呂敷包装のサービスを始めた。評判も上々とのこと。

 
 
つつむ No.151号 (2017年10月号)掲載
※文章内の表現・表記は、すべて取材当時のものです。
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