導入事例・お客さまの声

「火星人」+「ラックBoxスチーマー」で高尾山名物を生産 有喜堂本店 様

受け継いできたものを まずは守る姿勢でいきたい

有限会社 有喜堂(ゆうきどう)本店 様(東京都八王子市)

まんじゅうの成形からパンニング、トレイのラック差し、蒸し上げまでの全工程を自動化したフルオート蒸しまんじゅう生産ラインが稼働する明るい工場。
 
新宿から直通電車で約1時間と気軽に行ける高尾山。2007年には観光地としてミシュラン三ツ星を獲得した。年間260万人という登山者数は世界一。行楽客・参拝客のお土産品で根強い人気が高尾まんじゅう。茶色の黒糖生地はつぶあん入り、白色がこしあん入りのおいしい蒸しまんじゅう。「有喜堂本店」様が製造・販売する。峯尾(みねお) 進代表取締役にお話を聞いた。
 
有喜堂本店様は明治30年代(1900年前後)、山の中腹にある高尾山薬王院有喜寺より屋号をいただき、その御用達として創業。寺院に御供物を納める傍ら、せんべい、栗ようかん、まんじゅうなどを製造・販売してきた。現社長は四代目。
「高尾まんじゅうはずっと手包みでした。自分が学生のころレオンさんの『105型』が入ったけれど使いこなせなかった。1970年代、包あん機『207型』を入れて本格的に機械生産するようになりました。最初は1台で2種類あるので2台にして。まんじゅう中心になっていきました。今も売り上げの50%がそうです」。その後、万能自動包あん機「N208型」をご愛用いただいた。
 
8分蒸し上げてラック搬出。

その後、包装して箱詰めされる。

高尾山名物 高尾まんじゅう つぶあんとこしあんの2種類。1個100円(税込)、45g。

10個入り、15個入りがある。
 
2011年、甲州街道沿いにある本店から近い参道沿いにお店を新設する際、蒸しまんじゅう生産ラインを導入。「火星人+自動紙敷き機+パンナー」と、パンニングされたトレイをラックに差し込み蒸し上げる「ラックBoxスチーマー」で構成される。
「前は『ミニスチーマー』を使っていました。蒸し上がる度に金網をとって大変でした。いまはフルオート。生地やあんを入れる人がラック出しもできる。能率いいよな」と、同席いただいている峯尾直光専務と馬場専(あつし)工場長に視線を投げた。大きくうなずかれる二人。ご子息である専務が33歳。工場長は28歳で高校・大学とアルバイトをして、同社に就職されたフレッシュなパートナー。
「能率がいいから、この人数でできちゃう」と代表取締役・峯尾進様(中央)。左が専務取締役・峯尾直光様。右が工場長・馬場専様。
 
高尾まんじゅうが1番売れる時期は。「9月下旬ごろから、だんだん数が増えて紅葉の11月がピーク。朝7時から始めて大体午前中をメドにしていますが、1万個を超える日は昼抜き。連続でいかないと。そのころだと取材はむずかしいですね(笑)」。
左奥の工場が窓越しに見える。9時開店。火曜定休。
 
ミシュラン効果については。「高尾山口駅から山頂に続く道が人で渋滞して、かなり増えましたね。外国の方も多い。高尾まんじゅうは必ず今日つくったものをお出ししています。日持ちしないから、とくに夏場は天候に気をつかいます」。
有喜堂本店様の工場店 駅から徒歩3分。お土産店が並ぶ表参道にある。
 
今後については。「うちには昔ながらのかわらせんべいがあります。時代遅れの感じもするけど、売れます。お客さまの層が厚い。古風な味をなくしたくないですね。今のままやってくれればいい」と社長。専務は「入社当初は、何か新しいことをやりたいと思っていました。母がよく言うんです。『うちのまんじゅうは個性がないのが個性だよ』って。そういうものを変えようと思うのではなく、まずは守っていこうかなと。伝統なり、受け継いできたものを守っていく姿勢でやっていけたらいいなと思います」。5代目らしい気持ちの入った言葉にうなずいた。
 
つつむ No.151号 (2017年10月号)掲載
※文章内の表現・表記は、すべて取材当時のものです。
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