導入事例・お客さまの声

EZデバイダーで商品を磨く オハナ様

独自の経営手法でベーカリーの新たなスタイルをつくる

ベーカリーズキッチン オハナ 様 (埼玉県本庄市)

埼玉県本庄市早稲田の杜。上越新幹線本庄早稲田の駅前に広がる商業地域の一角にオハナ様がある。3年前にオーナーの久保田浩司様がオープンした新進気鋭のベーカリーだ。久保田様は、さまざまな業界トップメーカーの商品ブランディングを手がけてきた敏腕プロデューサー。これまでに、世に送り出してきた著名な商品の数々がその手腕を物語る。
 
「ベーカリーズキッチン・オハナ」はその久保田様が自らプロデュースし経営するベーカリーの1号店となる。同店は、オープン3年ながら着実にお客さまのニーズをつかみ、今やピーク時には1日に2500人を集客し、年商3億3千万円に達する超繁盛店となった。いかなる理由で異業種からの参入を考えたのか、どのような経営手法で新進ベーカリーを成功に導いたのか、久保田様に直接お話を聞いた。



ベーカリー業界の魅力
本庄市のオハナ様に伺ったのは平日の午後1時過ぎ、店内は途切れることのないお客さまで賑わいをみせていた。同店は、販売スペースと製造スペースとは壁のないフロア続き。入店するとすぐにパンづくりの熱気が伝わってくる。「○○パンが焼きあがりました」かけ声とともにオーブン直送のパンが次々に並べられる。お店に並ぶパンは延べ140アイテム。そのなかには、多い時に1日2千個がでる超人気アイテム「塩堅焼きバター」(通称・塩パン)もある。この店内にあふれる活気に圧倒されていると、白衣に身を包んだ久保田オーナーがにこやかに迎えてくれた。

ベーカリーズキッチン オハナ
オーナー 久保田 浩司 様

 
久保田様は、薬用歯磨き粉の有名ブランドや精密器機メーカーの世界的時計ブランドをプロデュースした根っからのプロデューサー。その鋭い視点を今、ベーカリーに向ける。

取材はじめに、どうしても聞きたかったことからお話を伺う。ベーカリー業界のどのへんに魅力を感じたのですか。「これまで、さまざまな商品やお店などのプロデュースに関わってきて、やったことのない分野に挑戦してみたい時期だったんですね。その時に福岡の友人が異業種からベーカリーに転じてがんばっているのを見て、この業界は興味深いと思ったんです。そこには『ヒト・モノ・カネ』が揃っていて、あと必要なのはプロデュース力だなって。それから全国100店くらいベーカリーを見てまわりましてね。パンという商品のもつ可能性にも十分魅力を感じて、よし自分でもやってみようと決断しました」。ベーカリーは、久保田オーナーのプロデューサー魂にしっかり火をつけた。
 

まず「商品」を磨く
さらにオーナーは続けた。「まずは商品にすべての力を注ぎましたね。私の持論ですが、最初から広告宣伝に費用をかけるのは愚の骨頂です。お客さまが購買活動をする究極は、満足できる商品を手にすることです。つまり、おいしくて魅力的なパンそのものです。この本質を見失うとお客さまも離れていってしまう。だからうちは、『商品』には心血を注いでいます。それが確立できたら次にサービスですね。最低限これができていればまずは成功ですよ」。
 
「EZデバイダー」で秤量分割している商品の一例
①バゲット1本250円 ②プチアンシェンヌ1個110円 ③オフォーツク1個260円

④ノアフランス1個200円 ⑤オニオンブレッド1個280円 ⑥塩堅焼きバター1個100円(すべて税別価格)

久保田オーナーの言う商品についてさらに具体的に聞いてみた。「みなさん、うちならではと良く言いますが、オハナの商品の特徴は、各々に個性のある140アイテムの総合力で『お客さまに期待させる』品揃えをしていることです。アイテム数が多ければいいものではありません。定番商品もあれば、その季節ならではの新商品もある。また昔ながらのベタな商品もあれば、見たことのないハイセンスな商品もある。個の魅力と品揃えの魅力の相乗効果ですね。ありがたいことに、若い方、家族連れのほかに、ご年配の方もたくさんご来店いただいています。皆さんは何を求めて来てくれているかと考えると、日常の中のささやかな非日常を求めてるんですね。ここに小さな贅沢やおどろきを提供できれば、みなさんまた買いに来てくれるんですよ。そんな商品を揃えていくこと。それがうちならではのオハナスタイルです」。
 

「EZデバイダー」が果たす役割
オハナ様が心血を注ぐ「商品」をつくる製造スペースにご案内いただいた。生地の分割作業を受け持つのは「EZデバイダー」。週6日間、5時から15時までほぼフル稼働だという。「これなしにはうちの製造は成り立ちませんよ」と久保田オーナー。
パン・プロデューサー 磯部 隆 様
 
製造を率いるのは磯部様。久保田オーナーの打ち出すコンセプトを商品(パン)に具現化していくパンづくりのプロフェッショナルにしてプロデューサー。「EZデバイダー」で計量・分割作業をして2次成形や仕上げといった創造的な部分に人手をかける。人手による分割はピーク時は3人~4人がかりだったが、今は「EZデバイダー」とオペレーター1人で十分対応できるようになった。こうして新商品開発に向けられる時間・労力も確保できるようになった。
経営者目線でこう語ってくれた。「一番のコストは人件費になりますので、現状の作業効率と将来的な効果を考えて人材を配置しなければなりません。品質を一定に保ち生産性を上げるのに、生地の分割作業はまさに機械にやってもらう仕事です。若い社員たちには、単純作業に時間を費やすのではなくてパンづくりの本質を勉強してもらって一日も早く一人前になってもらうことが肝心。みんなうちの商品力アップを担う重要な戦力ですから」。

ベーカリーの「セレクトショップ」
久保田オーナーが今後手がけていきたいベーカリースタイルはどんなものかを聞いてみた。「『オハナ』は、ハワイの言葉で『家族』とか『大事な人』を意味します。意味合い通りこのお店をみんなが集まるプラットフォームにしたいんです。年代や生活スタイルの違いはあっても、オハナに行けばおいしいパンが食べらて、楽しい時間が過ごせるという場所にしていきたいと思います。ひとつ新しい試みとして考えているのは『ベーカリーのセレクトショップ』です。パンも世界中にある食品です、ドイツのパンもあれば、スペインのパンもある。はたまたニューヨークスタイルもあればパリスタイルもある。ある意味ファッションに似たところがあります。洋服にセレクトショップがあるように、個性豊かなパンをオハナ流にアレンジして出せたら、ほかでは体験できない味わいや楽しみを提供できると考えています」。久保田オーナーの溢れるアイデアに終わりはない。またひとつ新しいベーカリースタイルがみられそうだ。
 
「オハナスタイル」の発信基地 本庄店

イートインスペース
店舗から直接移動できる。焼きたてをその場で味わう方々で平日でもご覧の賑わい。
販売スペース
焼きたてパンが随時提供され延べ140アイテムが並ぶ。土日のピーク時は1日2,500人を集客する。

製造スペース
「EZデバイダー」で秤量分割した生地を成形、焼成。オーブンから出た焼きたての商品を随時販売スペースにサーブしている。

取材の最後に久保田オーナーが言った一言がとても印象に残っている。「常に原価と戦いながら、いい商品をしっかりつくっていきますよ」。そこに、新しいことに挑戦しながらも、モノの本質と向き合ってきた「商品プロデュース」の真髄が見えた。
つつむ No.150号 (2017年7月号)掲載
※文章内の表現・表記は、すべて取材当時のものです。
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