導入事例・お客さまの声

火星人「CN580」+「三重包あん装置ポンプフィーダー」を活用 かおる堂様

「火星人」ならではのお菓子をつくりたい

株式会社 かおる堂 様(秋田県秋田市)

株式会社 かおる堂様の本社・工場外観。株式会社 かおる堂様の本社・工場外観。株式会社 かおる堂様は1922(大正11)年創業。秋田県内に直営店を5店舗、複数の別ブランドを展開する地域密着型の老舗和洋菓子店だ。第24回秋田県特産品開発コンクール最優秀賞を受賞した「秋田県産りんごを使ったパイ」や「しとぎ豆がき」など地元素材にこだわった商品で人気を博し、現在約300種類のアイテムを取り揃えている。そんな同社にスティック形状のユニークな新商品が誕生したと聞き、早速取材にうかがった。 
 
 
 
まるで「魔法」のようなお菓子
新商品の名は「魔女のりんごスティックタルト®」。秋田県産りんごを使用した特製ジャムをクリームチーズ生地で包み、さらにシュクレ生地で包んだスティックタイプの焼き菓子。1本にシールド乳酸菌が100億個配合されており、おいしく食べて健康になれる、まさに一挙両得の商品だ。
「スティック形状の焼き菓子は昔も3種類ほどつくっていましたが、生産が手作業のため手間がかかり忙しくなるとつくれず一過性の商品となってしまいました。もう一度タルトをつくりたいと思っていた矢先、レオンさんの包あん機でもこの形状のお菓子がつくれること知り『これだ!』と飛びつきました。機械でできれば早いし、綺麗。そしていつでも生産できますからね。『三重包あん装置ポンプフィーダー』は持っていましたから、火星人『CN580』に取り付ける『背割りノズル』を導入するだけ。おかげさまで眠っていたスティック型の天板をまた使うことができました」と取締役生産部長の山田繁様は嬉しそうにお話を聞かせてくださった。 取締役生産部長  山田 繁 様
 
昨年8月より直営店のみで販売を開始したこの新商品は、乳酸菌入りの商品が消費者に浸透してきた昨今、健康を維持する食品として身近に存在できれば…と山田様が考案。シールド乳酸菌には、人の持つ免疫力を高める働きがあるため、インフルエンザの予防にも効果的とされている。おいしく食べて健康にもなれるというまるで魔法のような付加価値を巧みに商品に盛り込まれたかおる堂様。形状を魔法の杖に見立てた「魔女のりんごスティックタルト®」」はまさにぴったりのネーミングといえる。「現在、週1000本のペースで生産しています。仙台の大型商業施設での販売も決まったので、これからは2500本に増やさないと追いつかないですね」と山田様。順調に販路を拡大中だ。
 「仕込みの段階でいろいろと苦労しましたが、一番こだわったのは乳酸菌とクリームチーズとりんご、それぞれが持つ酸味の調整です。3種の酸味がうまく調和するように何度も試作を重ねました。また、全体の2割を占めるりんごジャムも、1ミリ角に刻んだりんごを使用することで食感が残るように工夫しています。一般的なタルトは丸型ですが、これを棒状にしたことで食べやすいと女性のお客さまから好評なんです。今もっと食べやすくなるように、専用のトレイも開発しているんですよ。できる限りの工夫を施し、この商品を長続きさせていきたいです」と語る山田様からは、手間をかけつくりあげた新商品への深い愛情が感じられた。
 
「魔女のりんごスティックタルト®」の生産風景。 生産には「背割りノズル」を取り付けた火星人「CN580」と 「三重包あん装置ポンプフィーダー」を使用。 1回で約1,000本を生産する。「魔女のりんごスティックタルト®」の生産風景。 生産には「背割りノズル」を取り付けた火星人「CN580」と 「三重包あん装置ポンプフィーダー」を使用。 1回で約1,000本を生産する。
       
 
人気商品を支える火星人
現在、かおる堂様では「魔女のりんごスティックタルト®」のほかに、季節商品を含め10種類以上の商品を火星人で生産いただている。「火星人は『CN580』を2台、『CN500』を1台使っています。餅菓子、焼き菓子、蒸し菓子で3台を使い分け、ほぼ毎日2時間稼働していますよ。機械は量る手間、丸める手間が省けますし、何より疲れ知らず。高品質の商品を安定生産してくれるので助かります。また、今回のスティックタルトのようにノズルを変えるだけで形状に特徴を出せるのも魅力です」。中でも一番の人気商品が構成比の約25%を占める「秋田県産のりんごを使ったパイ」。第24回秋田県特産品開発コンクールの最優秀賞にも輝いたこの商品は年間約21万個販売する大ヒット商品だ。「りんごパイの開発には2年かかりました。『CN580』で月平均18000個生産します。仕入れるりんごの時価が高騰した時期も機械で量産することで商品を値上げせずに済みました。正直原価はギリギリですが、原価がギリギリで見た目の良いものほど売れるんです(笑)。りんごパイが人気になり『いちじくパイ』も商品化しました。こちらも好評いただいています。手づくりももちろん大切ですが、三重包あんなどの手づくりでは手間のかかる商品がやはり売れ筋ですので、和菓子洋菓子問わず機械じゃないとつくれない商品をつくっていきたいです」。
 

「魔女のりんごスティックタルト®」 (1本200円、35g )                秋田県産りんごを使用した特製ジャムを使い 焼き上げたスティックタルト。クリームチーズ 生地の酸味とりんごの甘みが調和したしっと り食感の逸品。1本に免疫力を高める働きを 持つシールド乳酸菌を100億個配合。 

「秋田県産りんごを使ったパイ」(1個180円、40g)
秋田の豊かな大地で育ったりんごを程よい甘さに仕上げ、よく練った パイ生地で包み込み、さっくりと焼き上げたミニアップルパイ。第24回秋田県特産品開発コンクール最優秀賞を受賞。 
 

「秋田県産いちじくパイ」 (1個200円、40g )
北限の秋田県産いちじくを甘露にして、 特製のパイ生地に包みさっくり焼き上 げた商品。豊かな風味とプチプチした食感が特徴。
 
※表示価格はすべて税抜き

    

 
「妥協しない」を貫く
最後に、お菓子づくりをする上で大切にしていることをお聞きした。
「会社のかかげる教えに『毎日の積み重ねが大切 決して安易な妥協をしない』という言葉があります。当たり前の商品をただつくるのではなく、お客さまに喜ばれるものを厳しくつくる。お客さまに喜んでいただくことは簡単ではありません。味はもちろん価格、日持ち、健康、食べやすさなどすべての面を完璧に近づけ、悪いものは一切ださないようにしないといけませんから。そして陳腐化しないように新商品の開発にもどんどん挑戦していく。営業と製造で意見を出し合い、お客さまからいただいた感想もすぐに反映させます。秋田駅にあるトピコ店は人の出入りも多いので、反応を見るのにうってつけなんです。今はインターネットが普及し、お客さまも情報の玄人になっていますから、いかにニーズを捉えた商品を提供できるか、社員一丸となって喜ばれるお菓子づくりに徹しています」。かおる堂様では、お客さまの声を聞くためハガキ制度を導入し、商品や接客の感想などの情報を積極的に吸い上げ商品づくりに生かしている。
 活気ある企業づくりを通して地域に貢献しているかおる堂様。不易流行の精神で創業100周年に向けさらなるおいしさの歴史を刻んでいく。
 
 

かおる堂様は1922(大正11)年に秋田諸越(もろこし)の専門店として初代・藤井馨(かおる)氏が創業。秋田米や秋田県産のりんごなどを使った地産地消のお菓子づくりを続け現在、県内に5店舗の直営店と複数の別ブランドを展開。アイテムは300種類。「秋田駅にあるトピコ店には、1日平均300人以上のお客さまがご来店されます。お土産ものとしてのご利用が多いので購入単価は1400円くらい。これが路面店の大町店ですと、ギフトとしてのご利用が多いので3000円を超えます」と山田様。地元だけでなくお土産ものとして全国に発信されている。
秋田米を使用した米菓に特化した別ブランド 「一乃穂」の販売コーナー。秋田米を使用した米菓に特化した別ブランド 「一乃穂」の販売コーナー。
 
「しとぎ豆がき」 (1箱15個入り926円 )
 
 
 

秋田諸越「さくらだより®」の 生産風景。伝統の技術を持った職人が工房内 で丁寧に手づくりしている。秋田諸越「さくらだより®」の 生産風景。伝統の技術を持った職人が工房内 で丁寧に手づくりしている。諸越とは、小豆粉と和三盆糖でつくられる打ち菓子で、時の藩主・佐竹義格(よしただ)公に献上した際に「諸々の菓子を越えて美味である」と賛辞を賜ったことからその名がつけられた秋田を代表する銘菓。諸越とは、小豆粉と和三盆糖でつくられる打ち菓子で、時の藩主・佐竹義格(よしただ)公に献上した際に「諸々の菓子を越えて美味である」と賛辞を賜ったことからその名がつけられた秋田を代表する銘菓。
                

 
つつむ No.153号 (2018年4月号)掲載
※文章内の表現・表記は、すべて取材当時のものです。
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