導入事例・お客さまの声

新開発の包あんシステム「フレックスインクラスター」活用事例 メロンパン 様

三代守り続けた味を「フレックスインクラスター」で未来につなぐ

有限会社 メロンパン 様(広島県呉市)

新型包あんシステム「フレックスインクラスター」。稼働は月曜日~土曜日の5時30分~16時のフル稼働である。 現在は「メロンパン」「瑳珴の小倉庵」「スペシャルこしあん」の3種を生産している。 新型包あんシステム「フレックスインクラスター」。稼働は月曜日~土曜日の5時30分~16時のフル稼働である。 現在は「メロンパン」「瑳珴の小倉庵」「スペシャルこしあん」の3種を生産している。
広島県南西部に位置する臨海都市、呉市(人口約22万8000人)。ここに創業1936(昭和11)年、地元に根ざし堅実にその味を守り続けている老舗ベーカリーがある。「有限会社メロンパン」様。その老舗ベーカリーがつくる、店名を冠した商品・メロンパンは、仕上げにアーモンド形状の型を被せて焼き上げる、独特の形をした人気の逸品だ。全国に同じ形の商品を目にすることはあるが、同店は創業当初からつくり続けているまさにパイオニアである。そんな看板商品を持つ「メロンパン」様は、決して伝統に頼ることなく、常に前向きだ。現在、三代目である代表取締役社長の中塩隆馬様と奥様で取締役の中塩愛子様が両輪となって新たなステージに向けて着実に歩を進めている。今回は、同店の将来に向けた取り組みについて取材した。
 



有限会社 メロンパン
代表取締役社長 中塩 隆馬 様
取締役 中塩 愛子 様
『フレックスインクラスター』導入は、看板商品メロンパンの包あん作業の自動化というテーマもありましたが、300gの小倉あんパンがきれいに包めたのが決め手になりました」と中塩社長。
 
三代続くお付き合い
呉の子供たちは、みんな『メロンパン』さんのパンを食べて育ったようなもの」。呉市出身の方にそんな前評判を聞いて取材に出向いた。老舗であり、地元でも圧倒的な知名度を誇るベーカリーとは?大いなる興味を抱いて「メロンパン」様の本店を訪れた。迎えてくれたのは、中塩社長ご夫妻。とてもフレンドリーに接してくれた。「今のうちの品揃えはほとんど創業当初から変わらないんですよ。私たちが三代目としてやっていますが、実はお客さまたちも三代でごひいきいただいてるんですよね。おばあちゃんがお孫さんと買いに来てくれて『時がたってもこの変わらない味が楽しめるのは幸せです』って言っていただきました。そんな言葉を聞くとこれからもがんばって続けていかなくっちゃって思いますね」と顔を見合わせるご夫妻。
 
昭和26年当時のメロンパン様本店昭和26年当時のメロンパン様本店メロンパン様本店内メロンパン様本店内
現在のメロンパン様本店現在のメロンパン様本店

社長ご夫妻は、「昭和11年から続く『メロンパン』のブランドは、先々代、先代が地道にパンづくりを行い、積み上げてくれた信用という土台の上に成り立っています。そのブランドがいつも私たちを助けてくれるんです。感謝しかありません」と先人へのリスペクトを忘れない。
 
 

職人の思いがつまったパン
「うちのパンを持ってみてください」と愛子様に促され持ってみる。ずっしりと重い。それもそのはず、名物のメロンパンは成形時で240g、瑳珴の小倉庵(小倉あんパン)は、300gの大きさだ。「これはね、創業者の奉仕の精神なんですよ。まだ、菓子パンなんて贅沢な時代、パンづくりにたずさわった自分が生業を通じて少しでも皆さんに満足感、幸福感を味わってもらいたいという思いでつくっていたと聞いています。その心意気は今も私たちのなかでしっかりと生きています」。言葉通りそのパンは、三代続くパン職人の思いがたっぷりつまった重みだった。
 
未来予想図が描ける
伝統の菓子パンがいかに製造されているのか、本店2階の工場にお邪魔した。「メロンパン」様は、包みもの菓子パンの包あん作業を効率化するため、昨年末に弊社の新型包あんシステム「フレックスインクラスター」とメロンパンの上掛け生地を分割するために火星人「CN050」を同時にご導入いただいている。当日は、看板商品であるメロンパン、そしてたっぷり180gの小倉あんを120gの生地で包む、瑳珴の小倉庵の生産を取材することができた。さっそく「フレックスインクラスター」での生産が始まった。生地の投入と包まれたパンの搬出と2名の担当者で小気味良く進められていく。「この機械を導入する前は、職人3名の人海戦術で包み作業をしていました。メロンパンは、繁忙期には1500個、瑳珴の小倉庵を600個、スペシャルこしあんを1000個つくりますから、もう大変でした。生身の人がやる仕事ですから、常に同じ生産量を維持していけるかは正直不安でしたね。将来に向けての安定生産を考えた場合には、包あん作業の機械化はまさに急務でした」。しみじみと語る中塩社長。人手不足、長時間労働は、どの個人ベーカリーでも直面している課題であろう。こちらでは、その課題を解決する手段として「フレックスインクラスター」をいち早く導入して、人手から自動生産に切替えた。


 
また、メロンパンの上掛け生地用の分割には火星人「CN050」を活用している。この工程も人手での計量・分割はとても手間がかかるもの。計量精度の良い「CN050」を使えば、安定した重量で自動分割が可能になるのである。一連の機械導入について、取締役の愛子様は別な視点で見ていた。「今回機械を導入して、技術のある職人が3人がかりでやっていた作業を通常の従業員2人でできるようになったのは確かに大きなことです。でももうひとつ重要なことがあるんですよ。今後こんな展開をしていったらどうだろうなど、先々に目を向けた時にね、うちはこの機械を持っているから、ここまではいけるという計算ができるんですよ。未来予想図が描けるんです。機械を導入したことで可能性が大きく広がりました」。「メロンパン」様82年の歴史は、親子三代実直にパンづくりに向き合ってきた歴史でもある。その中で、変えてはいけないもの、そして時代に合わせて変えていかなければならないもの、その見極めがきちんと出来ているように思えた。最後に愛子様がこう付け加えてくれた。「皆さんからおたくのパンは時代が変わっても味がまったく変わらないねと言っていただきます。それは、先々代、先代と続いた配合をきちんと三代目が理解して引き継いでいるからこそなんですよ。ほかの工程はどんどん機械化していけばいいんですが、ここだけはそうはいきませんね(笑)」。変えられない伝統の味を未来へつないでいくために「フレックスインクラスター」の活躍がますます期待される。
 

 
つつむ No.153号 (2018年4月号)掲載
※文章内の表現・表記は、すべて取材当時のものです。
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