導入事例・お客さまの声

田園調布の銘店が生み出した人気商品を火星人パンナーラインで合理的に生産! レピドール 様

田園調布で45年にわたり愛され続けている洋菓子店

株式会社 レピドール 様(東京都大田区)

日本有数の高級住宅地として知られる田園調布。大正時代、日本資本主義の父・渋沢栄一翁らの手により開発されたこの地は、緑豊かな生け垣を持つ家が多く、街全体がまるでひとつの庭園のような気品に溢れている。この地に45年にわたり愛され続けている洋菓子店「レピドール」様がある。一番人気はスペインの伝統焼き菓子を日本人の嗜好に合うようアレンジした「ポルボローネス」。こちらの商品の生産に弊社の機械をご活用いただいていると聞き、取材に伺った。


「ポルボローネス」
12袋入り1,100円、16袋入り1,550円
24袋入り2,300円(税込価格)
スペイン・アンダルシア地方の伝統菓子“ポルボロン”を元に開発されたレピドール様の一番人気商品。手前からシナモン、ごま、抹茶の3種類。レトロで気品があるパッケージのこの商品は、大手飲食情報サイトが主催する「接待の手土産」に2018年度入選。


高級住宅街に根付いたこだわりの味
代表取締役社長 大島 崇嗣 様代表取締役社長 大島 崇嗣 様田園調布のシンボルである赤い屋根の旧駅舎をくぐり西口に出ると、放射状に区画された美しい街並みが広がる。正面の道を進むとすぐ左手に見えてくるのが「レピドール」様。南フランスの別荘をイメージした佇まいは周囲の景色と調和し、まるでヨーロッパにいるかのような印象を与えてくれる。出迎えてくださったのは、創業者のご子息にして二代目代表取締役社長の大島崇嗣様。機械化や経営についてお話をお聞きした。
株式会社レピドール様は1973(昭和48)年、先代にして現会長の大島陽二様が創業。
「四季の移ろいが分かる自然豊かな場所で商売をするように」という代々の教えのもと、都心にありながらも緑豊かなこの場所に店を構えた。田園調布にお住まいの本物志向のお客さまを長きにわたり魅了し続けてきたのは「素材」と「つくりたて」にこだわった自慢の洋菓子たち。エレガントな雰囲気につつまれた店内には、季節に合わせた80種ほどの色とりどりのアイテムが並ぶ。「生菓子と焼き菓子の割合は4:6くらいですが、おかげさまで看板商品の『ポルボローネス』が好評いただいておりますので売上でみると3:7と圧倒的に焼き菓子が多いです」と大島社長。取材中「ポルボローネス」の試食を勧めてくださった。口に含んだ瞬間にフワッと溶け、やがて口いっぱいに広がる深い甘みとコク。今まで体験したことのない食感に感動していると「繊細な食感でしょう。ほかでは味わえないお菓子とリピートされる方が多く、インターネット注文の9割を占めています。この商品は『ポルボロン』というスペインの焼き菓子をベースに開発したもので、創業近くからのロングセラー商品です」。レピドール様の「ポルボローネス」は一般的なスペインの「ポルボロン」よりも舌ざわりが良く、味もシナモン、ごま、抹茶と日本人の嗜好に合うようアレンジされている。形状も特徴的で丸や球ではなく持ちやすいタブレット状になっており、小さなお子さまからご年配の方まで幅広い年齢層のお客さまから支持されている。まさにヨーロッパ伝統の味と日本の味覚のマリアージュを謳うレピドール様ならではの逸品だ。

合理性を追求した機械生産
レピドール様は昨年8月、この人気商品の生産用として火星人「CN580」に「重合ノズルワイヤーカッタースライサー」と「セットパンナー」を接続したラインをご導入いただいた。現在週2~3回のペースで稼働し、3種類の味を交互に生産している。
「以前は海外メーカーのチョコレートを絞る機械を使用していたのですが、機械の調子が悪くなり、いったん人手による生産に切り替えました。『ポルボローネス』は構成比の3割を占めるうちのメイン商品なので欠品するわけにいきません。その時は従業員総出で対応しました。生地をシート状に伸ばして冷やし固めたあとに型抜きで抜く。しかし、どんなにつくっても生産が追いつきませんし、『ポルボローネス』を中心にした生産は、ほかの商品の欠品も招いてしまいました。早く安定した生産体制にもどさなくてはと。そんな時に目に止まったのが『火星人』だったんです。うちのようなとても軟らかい生地でも難なくきれいに成形できますし、アフターサービスも安心です」。また、レピドール様ではさらなる合理化を図るために『セットパンナー』を導入。「この生地は焼成しても膨らまないため、商品同士のピッチが狭くても問題ないんです。1回の生産で大量につくれますし、焼成後にかける粉糖も無駄になりません。以前の機械と比べ、生産に携わる人員が2人から0.5人に省人化できたのでとても満足しています」

次世代を担う職人づくり
 常に先を考え合理性を追求し続けるレピドール様だが、機械化に関しては慎重な姿勢をみせる。「よく機械の宣伝文句に『アルバイトの方でも簡単に操作できます』という言葉がありますよね。確かに誰にでも使えるというのは魅力的ですが、それでは技術を持った職人が育たなくなってしまうのではと。機械は便利な反面、何も考えずに使ってしまうと効率化されるありがたみそのものが分からなくなってしまいますから、きちんとお菓子づくりの原理原則を教育してから使わせるようにしています」。次世代を担う職人の育成にもしっかりと力を入れている。また、レピドール様は業界の抱える慢性的な人手不足などの労働問題を早い時期から予見し対策を講じていた。「うちは以前から製造スタッフの労働時間を7.5時間以内と決め、6時始業の15時終業にしています。早朝から深夜まで働くことが当たり前とされるこの業界ですが、時間をきちんと区切ることで、その中でいかに効率良く目的の作業を終わらせるか従業員全員が考え行動するようになりました。一人一人の作業パフォーマンスも向上し、ロスや無駄の改善にも繋がっています」。

ブランド力の強化
今後の取り組みについては。「地元の方には知っていただいておりますが、都内で考えると知名度はまだまだです。田園調布の地にレピドールがあるということを、駅前という立地の良さに頼らず、もっと積極的に情報発信していこうと。地域柄、敷居が高いイメージを持たれがちですが、お求めやすい価格帯を設定しておりますので、気軽にお越しいただけるようアピールしていきたいです」。
妥協のない商品へのこだわりと、日々磨き抜かれた職人の技術によって、その時その季節に合ったお菓子づくりに徹しているレピドール様。さらなるブランド力の構築に向けた強い決意が感じられた。



(1)レピドール様田園調布店外観。 店名の「レピドール」はフランス語で「金の穂」の意味。
お菓子のメイン材料である小麦に由来し、店内のところどころに麦のシンボルがあしらわれている。


(2)田園調布店の2階にある喫茶室。お客さまにゆったりとした素敵な時間をお過ごしいただきたいという想いから、全ての席が4席以上設けられている。
(3)創業当初からの人気商品「ルーローモカ」1個310円(税込価格)。
(4)かわいらしいパッケージの贈答用の焼き菓子。
(5)ショーケースに並ぶヨーロッパと日本の味が調和する洗練されたテイストの洋菓子たち。
(6)明るく木のぬくもりが温かい店内。
(7)田園調布のシンボルである西欧の民家を模した旧駅舎。


「ポルボローネス(抹茶)」の生産工程

火星人「CN580」に「重合ノズルワイヤーカッタースライサー」と「セットパンナー」を接続したライン。
「ポルボローネスの成形工程においては、生地を投入し天板を回収するスタッフがいれば十分なので、かかる人員は実質0.5人です」と大島社長。


火星人の片側のホッパー(外皮側)に生地を投入。火星人の片側のホッパー(外皮側)に生地を投入。回転するワイヤーが生地の吐出に合わせて均一にスライス。回転するワイヤーが生地の吐出に合わせて均一にスライス。
形状を崩さず衛生的に商品を天板に配列。形状を崩さず衛生的に商品を天板に配列。この日は30段のラックを2台使用し約8,000枚の商品を焼成。この日は30段のラックを2台使用し約8,000枚の商品を焼成。
約1時間かけて粗熱をとる。約1時間かけて粗熱をとる。粉糖をかけて完成。商品のピッチが狭いので無駄なく粉糖がけが行える。粉糖をかけて完成。商品のピッチが狭いので無駄なく粉糖がけが行える。


レピドール様が夏季限定で営業するアイス クリームショップ「ラ・リューシェ」(世田谷区・奥沢)レピドール様が夏季限定で営業するアイス クリームショップ「ラ・リューシェ」(世田谷区・奥沢)作業するスタッフの動きも無駄がない。作業するスタッフの動きも無駄がない。
 


つつむ No.155号 (2018年10月号)掲載
※文章内の表現・表記は、すべて取材当時のものです。
(C) 2014 RHEON Automatic Machinery co.,ltd.