沿 革

1963年

レオン自動機株式会社創立

創業者・林虎彦は、1961年に世界初の「自動包あん機」開発に成功した。その後さらなる研究を重ね、1963年に自ら開発した技術で世界中の食品生産の近代化を目指すべく、栃木県宇都宮の地にレオン自動機株式会社を創業した。林が包あん機開発のために基礎とした学問「レオロジー(流動学)」が、社名の原点となっている。

1963年

包あん機「N101型」販売を開始

林虎彦が開発した「自動包あん機」の初回販売モデルとして市場に紹介された。マスコミ各社からは「夢の機械」と報道され、3カ月後の受注は月産10台のところ270台にも達した。当時、クレーンがなかったために、機械を松の木につるしてトラックに積み込むシーンは、1号機出荷時のエピソードとして、今も語り継がれている。

1966年

包あん機「105型」販売を開始

改良を続けてきた「包あん機」の汎用モデルとして登場した「105型」は、全国のお菓子屋さんに普及し、職人さんたちにも長く愛用されるロングセラー機となった。人海戦術に翻弄された菓子店にも、ようやく近代化の波が届き始めていた。

1968年

マーケットは全世界

菓子から用途をパンの分野に広げた「200型」包あん機を擁し、創業からわずか5年で、海外に輸出を開始した。1968年5月に展示会視察で米国を訪れていた林虎彦は、「アメリカン・ベーカーズ・コーポ(ABC)社」との間で、年間500台を輸出する長期契約を締結した。

1969年

ドイツに駐在員事務所を開設

当時、世界一の産業機械大国であったドイツで、包あん機がどのような評価を得るのか。市場のニーズを見極めるため現地に拠点を設け、駐在員を派遣した。ここで、着実に包あん機が必要とされていることを実感し、次への販売体制へとつなげていった。

1970年

米国に研究所を開設

ニュージャージー州パラマスに、研究所を開設。先に販売が始まっていた北米地域へのサービス拠点としての役割を担いつつ、さらなる包あん機普及への原動力となった。当時米国の食品会社が多く東海岸に本社をおいていたため、より近いところで密着した活動をおこなうために、ニュージャージー州に拠点をおくことになった。

1974年

米国・ドイツに現地法人設立

米国・ニュージャージー州に現地法人「レオンU.S.A.」を、ドイツ・デュッセルドルフ市に現地法人「レオンオートマチックマシナリーGmbH」を相次いで設立した。これにより、北米、南米、ヨーロッパ全域へと本格的な販売・サービス体制を確立した。いずれも営業拠点としての役割だけでなく、現地の食品会社に実際に包あん機の性能を確認いただく実験工場としての役割も合わせ持つことになった。

1974年

生地延展装置「ストレスフリーストレッチャー」を開発

ペストリーをつくる難しさは、生地をいかに延展するかにある。林虎彦は、このテーマに挑み、人の手よりも繊細な圧力によって成形できる延展装置の開発に成功した。パイやデニッシュのサクサクとした食感は、美しく幾重にも積み重なった生地と油脂の層によってもたらされる。この積層生地を一定に伸ばす技術は、「包あん技術」と並ぶイノベーションとなった。

1975年

ペストリー自動生産ラインの販売開始

開発に成功した、生地延展装置「ストレスフリーストレッチャー」を搭載した、ペストリー自動生産ライン「MMライン」が販売開始となり、ペストリーの本場ヨーロッパのメーカーから引き合いが相次いだ。これまで、人手でしかつくることができなかったペストリーの自動生産は、高級品だったペストリーを一気に庶民が気軽に食べられるものに変えていった。

1979年

米国に現地法人オレンジベーカリーを開設

レオン自動機の最新技術を搭載した機械での生産、そしてつくられたものの流通にいたるまでを提案するモデルプラントとして稼働を開始した。1980年代にオレンジベーカリーは、米国にクロワッサンブームをもたらした仕掛人として、マスコミなどにも取り上げられて、その名前は世界中で広く知られるようになった。

1986年

万能自動包あん機「N208型」を発表

新開発の「非粘着インクラスター」の取り付けが可能になり、これまで不得手だった手粉を使わずに生産する「おはぎ」や「ハンバーグ」などにも用途を広げ、市場でも大反響を呼ぶヒット商品になった。「手づくり感覚」と「生産性の向上」を同時に実現する「N208型」は、食生活の多様化という時代に合わせて誕生したものである。

1986年

多列型包あん機「マルチ コ エクストルーダー」を発売

「非粘着インクラスター」の登場により、多列の包あん機構が可能になった。初めての多列型包あん機として開発された「マルチ コ エクストルーダー」は、8列仕様で毎時57,600個の生産能力をほこる。欧米を中心にフィリング入りのクッキーの量産に活用され、高品質な食品ができると評判をよんだ。2000年代に入ると、中東やアフリカの食品工場でも広く活躍することになるモデルである。

1987年

「社会の公器」へ

東京証券取引所市場に株式を上場。1987年に東証2部に上場、1989年には1部上場。2022年からはプライム市場へとステップアップをはかることになる。設立当初の資本金520万円から、25年の歳月を経て、資本金は73億5175万円になった。数字だけでなく、着実に実績と信頼を積み上げて、パブリックな企業へと進化を遂げた証である。

1987年

コンピューターを搭載した包あん機「火星人」を発表

創業者が、その見た目から「火星人」と愛称をつけたシリーズの1号機「CN100」は、包あん機能を「非粘着インクラスター」に限定し、製品記憶装置(P.M.U.)を搭載した、まったく新しいコンセプトモデルとなった。現在まで、幾多のモデルチェンジを重ね進化を続けてきた。レオン自動機が開発した数ある食品成形機のなかで、最も数多く出荷されたシリーズでもある。

1988年

生産拠点「上河内工場」が稼働開始

食品機械の品質向上と納期短縮を担う主力生産工場として、上河内工場が稼働を開始した。当時から先進の工作機械が導入され、製造の自動化、無人化がはかられてきた。また、当初から粛々と続けられてきた厳しい品質へのこだわりは、2018年に品質マネジメントシステム国際規格ISO9001取得につながることになる。

1988年

ホイロ後冷凍パンの本格的実験工場が稼働開始

米国・ノースカロライナ州シャーロット市にオレンジベーカリー第3工場(シャーロット工場)を開設。レオン自動機のハード技術とソフト技術の粋を集めて、ホイロ後冷凍パンの本格的な研究が開始された。このホイロ後冷凍は、パン生地にダメージを与えずに成形できるレオンの製パンラインでしか実現できないもので、成形ラインにも多くの注目が集まった。後に、食品ロスを軽減する画期的な技術は、ここで礎が築かれることになった。

1994年

低床型火星人を発売

火星人「CN120」は、従来の火星人から30cm低く設計されており、多くの方がより使いやすいモデルとして登場。火星人ジュニアの愛称でも呼ばれ、全国のお客さまにも長く愛されるロングセラーとなった。また、火星人シリーズではじめて「いちご」や「栗」などの固形物を自動投入できるオプションも取り付け可能になり、さらに用途を広げるモデルとなった。

1996年

「ストレスフリーV4 – 製パンライン」発売

投入したパン生地のグルテンに損傷を与えずに連続的に吐出する生地供給装置、「V4 – ドウフィーダー」の開発に成功。後続に成形ラインを接続した「ストレスフリーV4 – 製パンライン」の販売が始まった。欧米では職人のパンとして、手づくりが主流だった「アルチザンブレッド」の自動成形の実績も認められて、世界中で普及していくことになる。

1999年

秤量・分割機能を備えた「VMシステム」を発表

「V4 – ドウフィーダー」に秤量・分割システムと生地を巻くモルダーを組み合わせた「VMシステム」を発表。中間発酵の工程が不要で、さまざまな製法に対応している点が評価され、国内の製パンメーカーを中心に導入が進み、やがて学校給食パンの工場やリテイルベーカリーにも活躍の場を広げていくことになる。

2000年

万能型火星人「CN500」発売

和菓子、洋菓子、調理食品業界などさまざまな食品業界でお役に立ちたいという思いから、さらに活用範囲を広げた火星人「CN500」を開発。その販売が開始された。レオン自動機がこれまで培ってきた技術を結集。新開発の素材送り機構とインクラスターにより、美しく包あん成形できる同機は、火星人ブランドをさらに多方面に浸透させていくことになった。

2011年

万能型火星人の進化型「CN580」を発売

さらに進化を遂げた火星人は、つくる食品によって、素材を送る比率や包あんのタイミングなど細かい制御が可能になり、より高品質な生産ができるようになった。また、多彩なオプションが取り付けられるのが特徴で、より付加価値の高い、バラエティーに富んだ食品をつくることも可能になった。

2013年

レオン自動機50周年

2013年3月15日、レオン自動機は創立50周年を迎えた。「存在理由のある企業たらん」を社是に掲げ、創業して半世紀。独自の技術で世界の食文化発展に尽力してきた。その歩みを止めることなく、次の50年、さらに100年を目指して、新たな一歩を刻んだ。

2015年

包あん機「105型」機械遺産に認定

日本機械学会から、日本国内の歴史的意義のある機械技術として、包あん機「105型」が機械遺産に認定された。同機は、8年間で1,838台が販売され、食品業界の近代化に大きく貢献したことが大きな理由である。発売当時は、俳優のE.H.エリック氏を起用したテレビCMもつくられ、業界以外の方にも包あん機の存在を広くアピールした伝説のモデルでもある。

2019年

製パン機「VMシステム」の進化型「VM300」販売開始

最大生産能力は、300kg/時。分割重量範囲20g~460gと性能、機能を大幅にアップして、バラエティー豊かなパンをつくる「VMシステム」がリニューアルした。精度の高い秤量・分割システムが評判の同シリーズ。最新モデルもリテイルベーカリーを中心に導入が進んでいる。

2020年

火星人の最新機種「CN700」販売開始

素材を送る機構にサイクロイド式を採用し、粒状素材の混ざった生地も安定して送ることが可能になった。また、2段コンベヤー仕様では、5,100個/時の高速安定生産を実現。さらには、簡単設定機能も進化して、つくりたい食品の重量などを入力すれば、適正な機械の動きをすべて自動で設定してくれる。まさに次世代の包あん機として、食品業界からも熱い期待が寄せられている。

2020年

新社屋「レオン・ソリューションセンター」オープン

食品生産におけるさまざまな課題解決に向けたサービスをご提供するため、世界中の「食」の情報、最新の設備、技術を集約した「レオン・ソリューションセンター」を本社敷地内にオープンさせた。包あん機、製パンラインの最新機種でのテストはもちろん、周辺機器、工場全体の設計までをワンストップで相談できる最先端の施設となっている。