「VM300」「レベントラックオーブン」のフル活用で効率アップ!
お客さまの要望に応えて進化し続ける

株式会社ダイヤ様(大阪府大阪市)

小さな会社でもダイヤモンドのように光り輝く会社にしたい。そんな願いをこめて創業者・多田定男様が1946年、ここ大阪市に立ち上げたベーカリー、※株式会社ダイヤ様。お客さまの日常にあたりまえにあるパンを意識し、常にお客さま目線に立った、商品・サービスを提供し続けてきた。このたび弊社の製パン機「VM300」と「レベントラックオーブン」をご導入いただき、品質と生産効率の両面からステップアップをはかる。同社の取り組みについて、社長の多田俊介様、そして製造 部長の仲西功次様にお話をうかがう機会をいただいた。

※ 創業時の社名は、ダイヤ製パン株式会社

1日3便焼き立て配送

大阪府大阪市。府内を中心に19店舗のベーカリーcookhouse(クックハウス)を展開する、株式会社ダイヤ様の拠点がここにある。「うちのパンには、これこそはというワントップ商品はありません。ただし、どれを買っても、いつ買っても期待を裏切らない総合力には自信があります」。そう語るのは、代表取締役社長の多田俊介様。同社は、ベーカリーを立ち上げた当初より、本社工場から店舗へ1日3便の焼き立て配送を続けてきた。「パンの焼き立て3便にはこだわるところがあります。私の祖父が創業して学校給食を手掛けて成長した時期があるんです。その時に祖父は、決められた配合でつくるため、あまり喜んで食べてくれない子供たちに、せめて焼き立てパンを届けようと手間を度外視して実行した経緯があります。もちろん子供たちも大喜びしたと聞いております。今もその心意気は社内に息づいていて、1日4便もいけるんじゃないかという声もありますよ」と多田社長。その社長を製造の面から支える仲西功次様がこう続けてくれた。
「私がこちらに入社して5年になりますが、当時はつくれば売れるという時代でしたね。毎日3便にのせる商品をつくるのに必死だった記憶があります。でも、しんどいのは体だけでした。それが今では、まず安全・安心な品質、そして多様化する消費者の嗜好(しこう)への対応、働き方改革や人手不足を踏まえての生産体制づくりと、つくる側として時代のしんどさを一気に感じますね。そんな中、レオンさんの『レベントラックオーブン』と『VM300』が立て続けに導入になりました。生産現場をあずかる者としては、これでやれると思いました。社長の決断に感謝しています」

「VM300」がもたらしたもの

同社では、「VM300」を商品生産にどう活用しているのか、まず仲西製造部長にお聞きした。「VMですが、私も10年前ぐらいに初めてお話を聞いた時には、分割して、そのまま成形していく。いやいや、そんな工程の製パン機はあり得ないだろうとかなり否定的でしたね。今は、その常識破りの機械がここにある。そして、いい商品がどんどんできてくる。これをみて原点回帰しました。時代とともに多様化するお客さまのニーズに、極限まで近づけて商品を仕上げていくのが私らの仕事。こだわるのは、そこであって、そのパンに最適な生産手段は、その都度考えて使い分けていけばいいんだって。実際に『VM300』では現在約80アイテムの5割、40アイテムを生産しています。機械の稼働時間は1日10時間ですが、担当者の労働時間は3割以上軽減されました。生産を維持しながらも残業しなくなりましたものね。驚くべき成果です。それとVMは工程上、異物混入のリスクが低い、これも生産現場にしてみれば大きな後ろ盾になりますね」。そして多田社長からは、こんな見方もお話いただいた。「私自身も『VM300』に出合って考え方が変わった気がしています。これまで弊社は、手づくりを美として売りにしてきたところがあります。でも、どこまでが手づくりなんだろうと思うようになったんです。これまでだって、秤(はかり)やへらの道具は使っていた、時代の進化で、この道具に電気が入ってモーターが付いただけのことじゃないかって。でも余計な心配は無用でした。現場に目をやれば、みんな『VM300』を今までの道具と変わらず使いこなして生き生きとやってくれています。導入して正解だったなと確信しています」。

驚きのボリュームアップ

今回、リールオーブンの増設を検討する同社で、同時に「レベントラックオーブン」もテストしていただいた。結果として同機を3台ご導入いただいている。「このオーブンはいいですよ。まず他のオーブンに比べて場所をとらない。それでいてラックごと一気に焼けるので生産性は上がる。それに、途中のドア開閉がないのと密閉性が良い構造のせいか、焼成段階での商品の浮きが素晴らしく良くなりました。圧倒的なボリューム感です」多田社長、仲西製造部長も声をそろえる。

お客さまのご要望が羅針盤

大阪周辺地域に展開するダイヤ様のブランド、cookhouseには、1日700人の来客数を誇る人気店もある。冒頭に多田社長が語った商品の総合力で勝負する同社のねらいが的を射ていることを数字が物語る。本社・工場の取材を終えて、旗艦店の1つである、あべのキューズモール店をお訪ねした。店舗では、お客さまが思い思い楽しそうにパンを買われている。取材の最後に多田社長からこんなお話をいただいたのを思い出す。「レオンさんから機械を導入して、さあこれからという時にコロナ禍にみまわれました。経験したことのない事態に、自分自身でも何が正解なのかは今でもわかりません。ただ、自分の経験値は少ないけれど、祖父、そして父と受け継がれてきたダイヤの歴史を見れば、おのずと答えは見えてくる気がしています。今までもダイヤという会社は、常にお客さまの日常のご要望に真摯(しんし)に応え続けた結果、自分たちも変化して成長してきました。今後も変わらず、お客さまの日常にあるパンをつくり続けます。その日常が変化すれば、ダイヤもそれにあわせて変化するだけなんです」。その考えは揺るぎない。あらためて店舗内を見渡す。社名の礎となったダイヤモンドが決して1つの方向ではなく、多方向に輝きを放つように、同店に並ぶ商品は、各々が個性的な魅力を放ち全体でキラキラと輝いて見えた。ここは、ダイヤ様の言う商品の総合力を実感できる空間なのである。