火星人「CN700」デポジター機能ご活用事例

火星人の新機能を洋菓子づくりにフル活用

ケーキハウス ナチュレ 様 (高知県高知市)

高知県高知市。南に黒潮が流れる太平洋を抱き、北に四国山地を背負う。海と山の自然と日照時間が長く温暖な気候がもたらす産物に恵まれた、豊かな土地である。この地に、1997年の創業から高知県産の素材にこだわったお菓子づくりを続け、地元の方々から根強い支持を得ている洋菓子店がある。それが今回ご紹介する「ケーキハウス ナチュレ」様だ。【私たちは自然のおいしさを生かしたお菓子づくりをします】をモットーに掲げる同店。「ナチュレ」という店名はまさにその証(あかし)でもある。店内に入るとバラエティーに富んだお菓子が迎えてくれる。なかでもひときわ異彩を放つのが、お客さまにも大人気の「タルト」シリーズだ。パートシュクレにダマンドをしぼり焼き上げた「タルト」。そのうえに展開さられる果物、野菜、木の実など自然の恵みの圧倒的な存在感こそ、同店の真骨頂と言える。そんなオンリーワンのお菓子を手掛けるのはオーナーシェフの野本弘幸様。自慢の「タルト」づくりには、弊社の火星人「CN700」をフル活用していると言う。今回、同機導入の経緯や活用方法など、直接お話を聞く機会をいただいた。

「タルト」への思い

その「タルト」は、とても奥が深い。まずフルーツなどの素材を楽しみ、次にクリームを味わい、やがて「タルト」にたどり着く。このタルトの食感、香り、味が最後に一つのお菓子を完成させるのだ。「なんと言っても、素材を下で支える『タルト』自体がおいしくなければ、このお菓子は成り立たないんです」。そう語る野本オーナー。つくる段階から、お客さまが食べる時にベストコンデションが来るように計算されていると言う。「はじめに、生地玉を型焼機でカップ型にするんですが、この時の焼き加減も、次にダマンドをしぼって焼いた時にちょうど良い状態になるように調節しています。まずこの『タルト』の状態で納得できるおいしさに仕上げていることが大前提ですから。もちろんそのままでも十分商品になるんですが、常連のお客さまに来るたびに季節の素材や彩りでバリエーションを楽しんでもらいたい。そんな思いもあって、上にフルーツなどを飾ってお店に出しています。だからフルーツやクリームがのった状態で食べる時に『タルト』は程よい食感になっている必要があるんです。そうなるように計算しているというのは正しくないかな。私の場合、何でも数値化するのは得意じゃないので、すべて職人の感覚でやってます(笑)」。お店で買い物をした女性にお話を聞いてみた。こちらの「タルト」は、よく購入されますか? 「はい、子供たちも私も大好きなんです。種類が多くて買う時に迷ってしまうんですが、それも楽しみの一つなんですよ。私は、『タルト』の部分が大好きなので、飽きることがないんです」と気さくに話してくれた。野本オーナーの思いは、お客さまにしっかりと浸透している。

「CN700」が必要!

ここナチュレ様では、2022年1月より「CN700」をご活用いただいている。まずは、導入の経緯から聞いてみた。「目的は、『タルト』の生産効率化のためです。当初は、1回に400個を3人ないし4人の人海戦術でやっていたんです。その中で、つくる人によってばらつきが出たり、人員がそろわなかったり、安定生産に限界が見えてきたところで何か良い方法はないか、検討していたんです。そんな時に、ある業者さんにレオンさんの火星人を教えてもらって、『CN700』なら、現状の課題を解決しつつ、活用範囲を広げられると思いました。タイミングも良かったんです。『タルト』の生地分割はなんとかなりそう。じゃあダマンドをしぼるのをどうするかとなりまして、これも『CN700』でなんとかならないかと、ダメ元でレオンさんに相談しました。それで、いろいろ方法を考えてもらっていたんです。そんな時です、『CN700』にデポジター機能が追加できるようになったと朗報が飛び込んできたじゃないですか。もう即決で購入しました」。
続いて、実際の使い勝手についても聞いてみた。「結論から言うととても良好です。今は、『CN700』のシャッター機能で生地を分割して、デポジターに切り替えて、ダマンドを吐出しています。人手でやっている時に比べたら、半分の人数でしかも4分の1の時間で済むようになりました。この効果は絶大です。今の時代、材料費も上がる、人件費も上がる、でも都会並みに売価は上げられない。じゃあどこで調整するか。もう生産の効率化しかないんですよ。だからうちは、どうしても『CN700』が必要だったんです」。

「CN700」の可能性に期待

ナチュレ様は、ケーキや焼き菓子の傍らで「クリーム大福」を販売して好評を得ている。「もともと餅という素材には興味があり、洋菓子店の目線で商品をつくりたいと思っていました。今回『CN700』を買ったのを機にオプション『三重包あん装置』も導入したので、それでさっそく生産しています」。洋菓子店ならではの材料を使った同商品は、しっかりとファンを獲得している。
こうして『CN700』をフル活用する野本オーナーだが、こんな話を続けてくれた。「私が『CN700』を導入した時には、周りから、火星人でいったい何をするの?ってよく聞かれました。でも私にしてみれば、可能性しか感じられなかったんです。1台で、包あんもできる、絞りもできる、オプションを使えば、三重構造のものもできる、固形物だって入れられる。考えられるお菓子は無限に広がりますよ。それに新商品を考えて行く中で、『CN700』があれば、実生産まで確実に想定できるんですから」。傍らの頼れる相棒を見入る野本オーナーの目は、期待と信頼に満ちあふれていた。